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幻夢館

(発売 aias

 

序論

山奥にひっそりと佇む豪奢な別荘、館の主人である少女を筆頭とする謎多き登場人物達、そして夜な夜な館に響く甘い声・・・・・。これら黄金パターンすぎて、ある意味古典的とさえ言える素材が幻夢館には積め込まれている。BGM、CG共に神秘的な雰囲気を醸し出すのに成功しており、濃密なHシーンは保証済み、と正統恋愛派が台頭している現在の市場状況に一石を投じる作品になり得る一本である。・・・・・・・そう、シナリオ部分が及第点さえ取っていたならば、の話である。今となっては全ては水の泡、まさしく蜃気楼の向こうに消えてしまった名作である。

1、シナリオ・人物設定・・・・・・・3点/10点

 酷い、この一言に尽きる。多分どのレビューサイトでも酷評されている事だろう。友人から事前にある程度情報を得てプレイした僕からしてこうなのだから、発売日当日に買ってプレイした方々の事を思うと忌憚に耐えない、合掌・・・・・・・・とだけでは余りにも漠然としているので、もう少し具体的に書き進めたいと思う。                                                             主人公はタフで女にモテるハードボイルドな雰囲気満点の私立探偵だ。序盤では助手相手にストイックなところを見せ、依頼先のメイドにはすぐに信頼され、依頼人の家庭教師を務める女性と大人の火遊びに興じ、依頼人である少女(本当は違うが)へ、アブノーマルな行為を強要したかと思うといきなり愛情に目覚める・・・・・・・・とたった数時間の間に波乱万丈な移り変わりを見せてくれる。選択肢型アドベンチャーという性質上、選択によって展開が変わるというのは常識であるし、そこが楽しみな点であるのだが・・・・。上に挙げたストーリーには一回の選択機会しかないのである。ここまで主人公の性格がコロコロ変わるゲームも珍しい。しかも別キャラのHシーンが連続する為(本当に連続なのだ。)完全に置いてきぼりを食らうプレイヤーも珍しい筈。                                                    

 他の人物設定は可も無く不可も無くというか、オーソドックスなだけにツボは心得ている。ヒロインがロリ系なせいか(あるエンドではボンテージ姿も見られるが)、メイドさんが広告などではヒロイン役を務めているようだ。

2、CG・・・・・・・20点/20点

 原画は『この人が担当するゲームはCG以外クソになる』というジンクスまで出来るような人気作家Tony氏である。ジンクスは残念ながら本作にもあてはまる様だが、CGの出来は超一品である。不思議で、しかも温かみを感じさせ、さらに淫靡な雰囲気まで醸し出しているのは職人仕事と形容する他ないのではないだろうか?Hシーンも陵辱の名に恥じぬ濃厚さである。量、質とも問題無いと思う。ただ、陵辱、と銘打っているのに両者非合意のCGがほとんどないのが気になるといえばなるが。

3、BGM・効果音・・・・・・12点/15点

 BGMも作品に神秘性を持たせるのに、確実な貢献をしている。最近の流れに反してボーカル曲の押しこそ弱いが、BGMは秀逸である。僕は冒頭の曲が好きなのだが、全般を通して静けさの中に凛としたものがあるような気がする。よって鑑賞モードが完備されているのが非常に嬉しい。初回版にはボーカル版のシングルが付属してくるが、上記の理由から僕はあまり魅力を感じなかった。                    効果音に関しては陵辱、というジャンルにしては少し押しが弱いと思われる。

4、広告・・・・・・・2点/5点

 イメージガールとして、実写のお姉さんを起用しているが、これはどうなのであろうか?CGという強烈なウリがあるのだから、これをもっと前面に出して行くべきだったと思われる。何にしても公式ページ内での動きでしかない為にインパクトが弱い、という点は言いつくろえないと思われる。

 

総合・・・・・・・・・37点/50点

Tony氏の原画、海原エレナを始めとする人気声優の起用、ともっと話題になってしかるべき、と言う要素を含んでいるだけに、シナリオ面での致命的な失敗は余りにも惜しい。作品自体は大作のない時期に発売された為に、そこそこ売れた様だが。もっと高評価を受けられる作品であるはずなのに、コバンザメのような現状は余りにも悲しい。次回作がすでに公開されているので、是非とも今度はシナリオ面での健闘を期待したい。この雰囲気だけでも充分プレイする価値がある事を最後に付記しておく。

 

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